H19年度の「統計熱力学2」の目標2の質問の中に次のようなものがありました。
質問と回答・補足をあげた後、説明を追加します。
(質問)イジング模型の計算でEを求めたのですが、
時間と共に変化する際の考慮が式の中になかったので、どうなっているのか
と思いました。
(回答)○と●のランダムな配列が、○ばかりのドメインと●ばかりのドメイン
に分離するシミュレーションを「光応用工学計算機実習」(4年前期)の(a2)の
課題で実施します。(相分離の途中の模式的な図そのものについての疑問も挙げ
られていましたが、まさにそのもののシミュレーションを行うわけです。)
(補足)結晶構造と合金の構造の関係に疑問を呈しているものもありました
(二次元模型でしたので、結晶面が引き合いに出されていましたが)。これも重
要なものですので、実際に物質が変わった場合に物性が変わることに出くわした
時に、再度思い出して下さい。
(H20.3.26)
補足説明:課題(a2)では、強磁性体の模型としてのイジング模型のシミュレーション
を行います。従って、○と●はアップスピンとダウンスピンに対応します。
二元合金の模型の場合は、○と●が異なる原子に相当します。隣り合う○と●の
入れ替わりがおきますが、単独で○と●が変化することにはなりません。
強磁性体の模型としてのイジング模型の場合の方が、多少アルゴリズムが簡単に
なります。○と●のパターンの変化は、二元合金の相分離過程と詳細は異なります
が、似たような変化が見られます。